障害者手帳は交付されない?日常生活における片耳難聴者の困りごと5選

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突発性難聴やメニエール病・中耳炎などの病気が原因で、「片耳が聞こえなくなった」という方は少なくありません。「もう片方の耳が聞こえるなら問題ないのでは?」と思う方も多いですが、実は片耳が難聴になることで、日常生活のさまざまな場面で困ることになります。本記事では、そんな「片耳難聴者」の困りごとを5つの視点で解説します。

片耳難聴者の困りごと5選

片方の耳が難聴になることで、日常生活・仕事・会話など、さまざまな場面で支障をきたすことになります。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

音の方向性・距離感が分かりづらい

本来人間は左右両方の耳を使って音を聞いています。左右で聞こえる音の大きさの違いを無意識のうちに聞き分け、音源や音の距離感を特定しているのです。しかし、片耳が聞こえなくなると、ほぼ全ての音を聞こえの良い耳で聞くため、360度どの方向から音が聞こえているのかが分かりづらくなります。同時に距離感も分かりづらくなります。そのため、自転車の運転や接客業などの仕事に不便さを感じている片耳難聴者も少なくありません。

騒がしい場所で会話が聞き取れない

片耳難聴者のほとんどは、騒がしい場所において特定の音を聞くことが苦手です。これは「カクテルパーティー効果」という、音を聞き分ける能力が低下することで起こってしまいます。飲み会・ショッピングモール・お祭りなどは比較的騒がしい場所のため、苦手としている片耳難聴者は多いことでしょう。

障害者枠で就職することができない

基本的に、日本では片耳が全く聞こえなくても、もう片方の耳が正常であれば障害者手帳を取得することはできません。そのため、障害者枠で就職活動を行うことはできないのです。片耳が聞こえないことで選考が不利に働いたり、聞き取りが難しく「グループディスカッション」に苦戦する片耳難聴者は少なくありません。健常者と同じ立場で就職活動を行わなければならないのは、かなり高いハードルを感じることでしょう。

立ち位置や座る位置に困る

片耳難聴者にとって、立ち位置や座る位置は非常に重要です。聞こえの悪い耳の方向から話をかけられると、内容を十分に理解することができませんからね。学校での席順・バス・新幹線などの乗り物の座席・会社での会議の席位置・友達と道を歩くときなど、日常生活の多くの場面でこの問題と遭遇します。毎回のように、立ち位置や座る位置を意識しなければならないのは、かなり大変かもしれません。

補聴器代は自己負担になることが多い

ご紹介している通り、片耳難聴では障害者手帳を取得することはできません。そのため、一部の地域や年齢を除き、基本的に補聴器代は全額自己負担となります。片耳難聴者の中には補聴器を装着したいにも関わらず、費用の面が心配で諦めている方も少なくないです。補聴器は精密機械ということもあり、安くても10万~15万円程度はします。また約5年おきに買い替える必要があります。補助金を受け取ることができない片耳難聴者にとって、「補聴器代」というのはかなり負担が大きいでしょう。このように日常生活や仕事の場面において、片耳難聴者はさまざまな苦労を強いられています。利用できる支援や制度がほとんどないのが「片耳難聴」を取り巻く現在の状況です。少しでも不自由なく暮らすために、制度の見直しや改革が求められることでしょう。

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